現場監督の仕事大解剖!~内装編~

ビバオ:これまで建物の基礎となる
躯体工事を紹介しました。
今回はその先、内装工事を見ていきます!
S :内装工事は躯体工事と同時進行します。
躯体が完成した階から順に内装工事を
進めます。




墨出し

ビバオ | 最初に行うことは何ですか? |
S | 「墨出し」という作業です。 コンクリートの打設が完了すると型枠を外します。 これを「脱型」と言います。 脱型後、図面に基づいて工事の基礎となる線、 基準となる線をむき出しのコンクリートに 印を打ちます。これを墨出しと言います。 墨出しは建築物を建てる際に壁、柱、窓、 ガス・水道などの配管を図面通り正確に仕上げるために 重要かつ精度が求められる作業です。 |
監督の仕事:位置計算

ビバオ | 今後の工事の根本ということですね。 この時監督は何をするんですか? |
S | 窓枠などのアルミサッシを決められた位置に 付けられるように図面から窓の位置を読み、 墨出しを行います。そのため、 日頃から図面を読めるよう勉強しています。 |
アルミサッシ・SD・UB設置工事


S | 墨出し後、窓枠となるサッシなどを付け、 ガスや水道などの配管をしますが、 「SD」や「UB」は何のことか分かりますか? |
ビバオ | チンプンカンプンです |
S | SD→スチールドア、UB→ユニットバスのことです。 どちらも大きいものなので障害となるものが 無いうちに設置します。 |
ビバオ | その方がスムーズで効率的ですね! この時の監督のお仕事は何ですか? |
S | UB設置の際は、UBを置くレベルの確認をします。 傾きが原因で使用中に水漏れが起きたら大変です。 水回りは不備があると住む人の生活に 支障が出やすいので、特に注意して確認します。 |
断熱材吹付工事:厚さ・欠損確認



S | その後、壁・天井に断熱材(ウレタン)を吹き付けます。 ウレタンを吹き付ければ、保温効果UPで省エネ! 防音シートを一緒に使えば防音効果を 高めることもできます。 |
ビバオ | 僕触ったことあります! 発泡スチロールの少し硬いような? ものすごく壁にしっかり付いてました! |
S | そうですね。僕達監督はこの時、 ウレタンが図面で指定された範囲に 吹付られているか、指定された厚みになっているか 「ピン」を使って確認します。 |
ビバオ | それぞれ決められた場所に刺すんですね。 |
S | ちなみに、吹き付ける前に壁や天井の下地となる 木軸を付けておきます。 こうすると家具や収納を取付るための下地となるんです。 あとは、吹き付けられたウレタンに欠けや凹みがないか チェックします。 確認が終われば次の工程に移ります! |
間仕切り(軽量)工事:確認+記録

ビバオ | 次は何をするんですか? |
S | 「間仕切り工事」です。LGS(軽量鉄骨)を使い、 室内を区切る工事のことです。 墨出しされた位置にLGSを配置し、 そこに合わせて壁や床材を張っていきます。 配管にぶつからない様にしたり、 墨出しの位置通りに配置されているか、 職人さんと一緒に確認し記録します。 |
ビバオ | 工事はどんな時も「確認+記録すること」が大事ですもんね。 |
S | お!学びましたね~。その通りです。 生活している上で見えなくなる部分は特に重要です。 そこが意識できれば写真に残す時も、 ポイントを押さえられると思います。 |
造作工事


S | LGSで仕切った部屋はその後、 電気・ガス・水道の配管を通し、 大工さんによる「造作工事」が始まります。 天井や床などの下地を作る工事のことで、 大工さん以外にも建具屋さんが作るドア枠などを 現場で加工し取付けます。 |
ビバオ | 室内の下地には何があるのですか? |
S | 例えば床は配管があるので直接コンクリートに フローリングを張れません。 配管を通すために少し高さを出してから 床やフローリングを張ります。 その「少し高さを出すための作業」をしてくれるのが 彼らです。 この時、監督はキッチンなどを設置するための 下地が図面通りに配置されているか確認します。 |
置床・ボード/GL工事


ビバオ | 少し高さを出した後に床を張るんですよね? |
S | そうです。これを「置床工事」と言います。 床とコンクリートの間に空間ができることで、 配管の通り道が出来る他に保温や防音効果があります。 |
ビバオ | より生活しやすい環境作りが始まっているんですね! 床の工事は分かりましたが、ボードとは何ですか? |
S | 部屋を仕切る壁となる石膏ボードのことです。 壁紙は石膏ボードの上から貼ります。 このボードは先程のLGSの位置に合わせて設置します。 |
ビバオ | なるほど!先を見据えた工事だったんですね。 では、GLとは何ですか? |
S | 「GLボンド」というものでボードを張る工法のことです。 このボンドは強力で、断熱材に直接張ることが出来ます。 コンクリート ↓ 断熱材 ↓ ボード ↓ 壁紙 というような層になります。 |
監督の仕事:工程管理

S | 内装工事中は出入りする業者さんが多くなります。 なので、業者さん同士スペースの取り合いに ならないように僕達が注意して情報共有しています。 朝礼で伝えたり、その都度業者さんと話をして、 スケジュール管理をしています。 |
ビバオ | 細かい工事が沢山出てきて頭がパンクしそうです… |
S | 躯体工事に比べると作業や業者さんが 枝分かれしていますからね。 僕達現場監督は、たくさんの職人さん達を まとめていくのが仕事なので、どんな工事の時も常に 「職人さんがどうしたら働きやすいかを考える」 ことが必要となります。いわゆる「工程管理」ですね。 |
クロス工事



ビバオ | いよいよ終盤!次は壁紙を貼るんですね! |
S | ピンポーン! 建設業では壁紙のことを「クロス」と言います。 貼る前にボードとボードの繋ぎ目などを パテ(接合材)で平らにしてから接着剤で貼ります。 この時、フロアによって違う色のクロスを使い 少し遊び心を出したりしています。 |
ビバオ | 見せてもらったことあります!とってもお洒落でした! 木目調のクロスを上手く貼り合わせている ところもありましたね。 |
フローリング工事



S | 次はフローリングです。 ここでご紹介!実はフローリングって こんな形(左図)なんですよ。 知ってましたか? |
ビバオ | えー!凸凹してる!知らなかった! これが組み合わさってるんですね。 フロアによって色を変えている所もあって、 印象がすごく違って面白かったです! |
S | そうそう、そうなんですよね。 張る向きや色使いが図面通りになっているか 僕達はチェックをします。 ようやく見慣れた部屋になってきましたよ! |
その他・仕上げ

S | 残りは細かい工事が続きます。 フローリングと壁際の隙間の調整や 室内などのドアの取付、 雑金物と呼ばれるカーテンレールや室内物干しなどを 取り付けます。この工程を必要な階数分行い、 最終的に室内や共用部をクリーニングすれば完成です。 |
ビバオ | お疲れ様でした~! 現場監督と沢山の職人さんが汗水流した結晶ですね..! ズバリ内装工事で大切な事は!? |
S | 「職人さんがどうしたら働きやすいか」を考え、動くこと! そのためには現場内の清掃や職人さんとの コミュニケーションも大切な仕事の一つです。 1年目は先輩のサポート役として、 いろんなことにチャレンジしてほしいですね!! |
